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2009/06/03(Wed)23:03

『笹の葉ラブソディ』

谷川 流 『涼宮ハルヒの憂鬱』



ザ・スニーカー 2003年8月号表紙

 いきなり画像からで失礼。そして、馬上からで失礼。鴛鶯鸚哥丸 秀だよ。
 この雑誌は、角川スニーカー文庫の母体的雑誌である、ザ・スニーカーの2003年8月号だ。きっと多くの美少女たちは、『挨拶のKissもなしに、いきなりこんな古い雑誌を持ち出してきてどういうつもり?』と思われた事だろう。
 言ってしまえば他愛もない理由なのだけれど、それはボクらが切望し続けて止まなかった、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の新作エピソード、『笹の葉ラブソディ』が遂に放送されるという事に起因しているのさ。

 実はこの号には、谷川流氏著の原作版『笹の葉ラブソディ』が初出掲載されていてね。アニメの放送に備えて、こちらの方で改めて予習をしておこうと、わざわざ書庫から引っ張り出してきたってワケ。もちろん言うまでもなく、ボク鴛鶯鸚哥丸 秀は、涼宮ハルヒシリーズの単行本も購入し続けているけれど、たまには雑誌掲載時の三段組フォーマットで楽しんでみるのも、なかなかにZなものだと思ってネ。

 ところでこの号、表紙にも大きく記されている通りザ・スニーカーの十周年記念号であるらしく、巻頭カラーでは様々な特集が組まれていたのだけれど、その中で、まだ連載開始して間もない『涼宮ハルヒの憂鬱』も四ページに渡って取り上げられていた。
 この作品が第8回スニーカー大賞において、第3回の『ラグナロク』以来実に五年ぶりと言う、待ちに待たれた大賞を受賞している事はご存知だと思うが、更には上記の通りアニバーサリーイヤーにうまく重なった事もあって、記事内の編集によるコメントでも「十周年記念作品」「ザ・スニーカーの申し子」と冗談交じりながら大きな期待を寄せられており、事実その通りに成った現在になって改めてこの記事を読むと、思わず溜息の出てしまう様な深い感慨に浸ってしまうよね。

 ……だがッ! 感慨に浸ってばかりじゃいかんがいッ!!

 なぜならこの特集ページにおいて、我々取材班は、とんでもないモノを目にしてしまったのである。

ザ・スニーカー 2003年8月号14~15P※1
   『二人の女神が ザ・スニを<大いに盛り上げる>!!』


 ……ふた……り…………?

 バカなっ、本気で言っているのかい!? あまりの出来事にボクは発狂しかけた。
 まさか、ザ・スニーカー編集部は、ヤンキー君クラスのスタッフによって構成されているのか?

小笠原真 兄ふんじゃった! 第一巻142P
       ヤンキー君

 もしかして『ハルヒとみくるの二人しか描かれていないこのページにおいては』という意味かとも思ったのだけれど、編集のコメントに『両極端な魅力の女神たちが、これからもザ・スニ-カーを大いに盛り上げるので、みんなも応援よろしく!』とある事から、どうやら本気であのキャラクターの存在が数に入っていないらしい……。
 Ah My Goddess! (一体、なんてこった!)

 この作品において最も重要なキャラクターが、編集側から戦力外扱いされているだって!? まさか、そんな事が有り得て良いのかい? これは……ややもすれば国連が動く事態に発展するかも……。
 まあ、それについてはボクから事務総長の方に根回ししとくけれど、しかしこの許されざる罪科(つみとが)は言語道断! もはや、“やんちゃ”の一言で済まされるレベルはとっくに超えている!

 もちろんボクだけでなく、今この事実を知ったあのキャラのファンたちも、憤怒極まるレッドゾーンギリギリ状態にある事は間違いない。
 あぁ……か、感じる……。
 離れていても、彼らファン達が放つ、燃えるような怒りの波動を……。
 禍々しく溢れ出る憎悪と……、凶悪に渦巻く激しい殺意を感じるよ…………。
 ここ最近、ボクのデリケートな部分が激しく痒いのは、きっとそのせいなんだね!?

 もはやザ・スニーカー編集部は、誰にどの様な非難を浴びせられても甘んじて受けなければいけないし、例の新刊が出なくとも決して文句が言える立場にはないよ。作品自体の存在意義を支えている、大黒柱と言っても過言ではない、この『涼宮ハルヒの憂鬱』における最重要キャラクター…………そうっ!

国木田クンを戦力から除外するなんてさッ!!


 ……えっ!? 『そんなキャラは全然重要なんかじゃ無い』だって?

 おいおいおい……、こりゃあとんだトーシローが迷い込んだようだね……。もしくは、オカリナ奏者宗次郎と同じ髪型だね。
 ようがす。そんな癒し系ヒゲ面オールバックポニーテーラーのキミに、この鴛鶯鸚哥丸 秀が国木田クンとの“DOKI☆DOKIヴァーチャル・デート”を惜しみなくお裾分けしてあげようじゃないか。
 もちろん、興奮してしまった時には、遠慮なくその手のオカリナを高らかに吹き鳴らして構わないからね。
 だが、くれぐれも…………、ボクの方に欲情しないでくれよ?





☆いままでのあらすじ☆
 一週間前に起こった例の事件をきっかけに、彼氏×彼氏として付き合う事になったボクと国木田クン。今日は放課後に待ち合わせて、二人で駅ビルにウインドウショッピングデートへと赴いたのだけれど……。


 洋服やファンシー雑貨、書籍にCD、アミューズメント。駅ビル内でそれらを見て歩きながら会話を重ねるだけの、そんな素朴なデートをボク、鴛鶯鸚哥丸 秀は心の底から楽しんでいた。
 とは言え、そのお相手が、めちゃんこキュートな純情Honey Boy……そう、国木田クンでなかったならば、ボクがこれ程までに心ときめき、また幸せな気分に包まれるという事も無かったのだろうね。
 もちろん国木田クンの方も、この魅惑のランデブーをBing!Bing!楽しんでくれている――――

「…………はぁ……」

 と、言いたい所だけれど……実は先程から、なぜか心ここに在らずといった様子で、ディープな青色吐息を幾度も発射し続けているんだ。あの麗しく愛らしいプリズムの瞳さえも、今はひどく憂いを帯びて輝きを失っている様に見えるよ。
 恋人として彼のそんな姿を見兼ねたボクは、そのたおやかな手をとって、出来得る限りの丁重さを心掛けながら尋ねた。
「一体どうしたんだい国木田クン。さっきから、やけに湿気たFaceだけれど……。何かボクが至らないせいで、ご機嫌45度になってしまったのカナ?」
 すると国木田クンは、『ううん……』と前置いて否定し、
「こうやって秀ちゃんと一緒に居られるのは嬉しいけど……。でも、もしキョンや谷口が僕らの事を知ったら、どう思うのかな……って……」
 と、その悩める心情を吐露したのだった。
「フフ……もしやキミ、Loversであるボクが女の子ではない事を気に病んでいるのかい? でも、それならば心配御無用さ。なぜならこの鴛鶯鸚哥丸 秀、従来の性別なんてものはとっくに超越してしまった、言うなれば『MEN(メン)』『WOMEN(ウィメン)』に続く『HIDEちゃん』という第三のジェンダーだからね。今日びユニクロだってこの三つのコーナーに分かれているし、何もおかしな事は無いよ」
「ぅ……うん、そうだよね。ごめん秀ちゃん、変な事言っちゃったけど気にしないで」
 そうしてボクの手をそっと解き、やっと笑顔を見せてくれた国木田クンだったが、しかしそこには、いつもの明朗さが微塵も見受けられなかった。
 ううむ、このままではいけない……。つまらない大人達に植え付けられた下らないモラルのせいで、こんな素敵なハッピータイムを存分に楽しめないだなんてさ。
 ……こうなったら仕方あるまい。国木田クンには悪いが、ここはちょっぴり荒療治だ。
「では国木田クン、ここでひとつ発想の転換をしてみようじゃないか」
「えっ、どういう事?」
「フフ……ちょっとレストルームにでも行って、これに着替えてきてごらん」
 そう言ってボクが差し出したものは、とある衣装一式の入った秘密の紙袋。ボクからそれを受け取った国木田クンは実に不安げな表情だったが、しかし持ち前の素直さゆえか文句のひとつを唱える事もなく、指示された通り、てけてけと駅ビル内のレストルームに入っていった。


 十分後……。
 着替えを終えて、小走りで戻ってくる国木田クンは、ひどく狼狽した様子だった。
 まあ、それもそのはずさ。なぜなら、ボクが国木田クンに渡した衣装は…………。
「ひ、秀ちゃん! あの……これ、北高のセーラー服じゃ……」


代替テキスト


 そう。ボクが国木田クンに渡した衣装、それは彼が通う北高の、水色の大きなセーラーカラーが特徴的な女子用制服上下だった。
「フフ……、とてもコケティッシュで可愛いよ。スカート姿もよく似合うんだね」
 ボクが素直な感想を述べると、国木田君はその柔らかそうな頬をポッと紅潮させた。
 「あ……ありがとぅ…………。でもこれ、ちょっと動いただけで下着が……」
 確かにスカート丈が少しばかり短過ぎたようで、内腿からチラッチョチラッチョと覗く、白い衝撃を隠すのに必死な国木田クン。まあ、もちろんわざと丈を控え目に作ったんだけれどね。
「これはこれは。同梱しておいたスキャンティまでちゃんと装着してくれたのかい? スキャンティ・ベリー……マッチでーす」
「あの……、なんでボクにこんな格好を?」
「さっき言った通り、“発想の転換”ってやつさ。つまりキミが男の子でなくなってしまえば、ボクと恋仲にあったって誰も変に思わないだろう?」
「た、確かにそうだけど……。でも僕、こんな…………」
「もしや恥ずかしいのかい? とても上手に着こなせているし、水色もよく似合っていると思うけれど」
「でも、他の人たちに変な目で見られてるんじゃ……」
「フフ……、心配いらないよ。どこからどう見たって、ミラクルボーイッシュな女の子さ。それに何事も“冒険でしょでしょ?”って言うじゃないか。明日過度に剃った恥部のヘアが気持ちイィ……ってネ。さあ、そろそろ帰らなければいけない時間だし、参るとしよう」
「えっ、こ……このままで!?」
 ボクは、その場から動くことを躊躇する、恥ずかしGirlyな国木田クンの手を引いて、人いきれのしている駅構内へと歩き出した。


 ちょうど帰宅族たちのラッシュタイムとあって、ボクらが乗り込んだ列車は、乗車率200%はあろうかという程の混雑ぶり。二駅も過ぎた頃には、ボクと国木田クンのパーフェクト・カップルはすっかり車両の隅へと押しやられていたのさ。もちろん、この美しく逞しいボクがバリケードとなっているから、国木田クンの安全確保については心配御無用だよ。
 だがしかし……、それでも次から次へと乗り込んでくる乗客達の勢いには抗えないものだね。ボクの身体はDang Dang国木田クンの方へと押されていき、ついには軽く密着するまでに至ってしまった。すると……、
「ぁ……」
 国木田くんが、男の子のそれとは思えないコケティッシュな声で喘いだ。
「おや、どうしたんだい国木田クン? まさか、破廉痴漢……」
 ボクの言葉に小さく頭(かぶり)を振り、その視線を斜め下に反らすと、国木田クンはカヒミ・カリィばりのウィスパーボイスで答えた。
「ぁの……。ひ、秀ちゃんの天使禁猟区が、僕の手に…………当たって……」
 おおっと!! これは予想外のHappeningであります! あの谷川氏ですら予想不可能な、ビミョーに非日常系ラッキーチャンスの到来だァッ!!
 フフ……こうなると、ついついボクも調子に乗ってしまってね……。
「じゃあ国木田クン……ほうら。こんなのはDoだい?」
「わ、わあぁ……。秀ちゃんの逞しい京都タワーが、ダイナミックスに躍動している……」
「フフ……、これがホントの京都アニメーション、なんてネ」
「ぁぅ……秀ちゃん、僕……なんだか変な気分になってきちゃった……。こんな……こんな場所なのに……」
 ウヒョー! く、国木田クン、潤んでキラキラした瞳と、桃色に上気した頬、そしてエッチな吐息を漏らし続ける弛んだ口唇のコンボで、もはや反則的な可愛らしさじゃないか!!
 しかもなぜだかセーラー服で、やたら短いスカートを履いているし……。こ、これはもう、ボクの事を誘っているって事だよね!? いただいちゃっても、ええのよね!? こんな風に、腰をスライドさせちゃっても……?
「ぁ、ゃぁ……、秀ちゃんの石原監督が……僕の二の腕を這ってぅ……」
 くああああぁあっ! もォ辛抱たま…………乱ッッ!!
「く、国木田クン! 今度はキミの一里塚を……キミの一里塚を早くボクにッ!!」
「ぃああっ、だ、だめーッ!」
 スカート内部に進入しようとするボクの手を、必死にFence Of Defenseする国木田クン。だがそんな抵抗も意に介さず、ボクは容赦なく核心へと突入していく。そして……、ついにボクの手が、国木田クンの下の方のENOZを捕ま……………………え……?
「えっ……!? く、国木田……クン…………、キミ……」
「………………………………」
 両手で顔を覆い、知られてしまった自らの秘密に、もはや言い訳すら出ない国木田クン。
 その驚愕の事実に、ただただ戦慄(わなな)く事しかできないボク。
 ああ、なんて事だい。まさか、こんな事って……。
 そして今にも泣き出しそうな国木田クンに、ボクは改めて事実を確認するのだった。
「国木田クン……、これって…………………………冬瓜?」


  ――――『鴛鶯鸚哥丸 秀の驚愕』につづく







 ……とまあ、ここまで見て頂いただけでも、国木田クンこそが『涼宮ハルヒの憂鬱』における最重要キャラに違いないんだけ………………おいおいおい! なに硬くしてんだいッ!?

 ボクの国木田クンをいやらしい目で見るなッ!!


 まったく……、とんだ性獣がいたもんだよ。しかも、なんで手にオカリナなんて持っているんだい?

 えっ、それでボクら二人がこの後どうなったのかって?
 フフ……まあそこの所は、まさにGod Knows(神のみぞ知る)……ってトコロかな。
 しかし何にせよ確かなのは、ザ・スニーカー編集部は、その解けかけた靴紐を一度結び直す必要がある、という事だよね。
 彼らには是非とも心を入れ替えて、ボクたち読者と二人三脚で歩んでいくようにして貰いたいと思うよ。

 ところで今回、実は『笹の葉ラプソディ』の表記を意図的に、『ラ(ブ)ソディ』としてみたんだ。
 そう、これがホントの……、

  S (SEO対策をも)

  O (疎かにしない)

  S (シュークリームが大好物な秀ちゃんの)

 

 ってネ。


 ※1.画像において一部エッチな表現があったため加工を施しております。




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フフ……、だが一体、自由とは何だか、キミ考えた事はあるかい?
おおリバティー、アビスの深淵にも、エデンの果てにも、ボクにはそれを知る事はできない。
しかしながら、この身が薔薇の茨に巻かれようとも、また月の光に蝕まれようとも、
彼の人の存在こそあれば、ボクの心はいつでも自由に羽ばたけるのさ。
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom

ボクこそが自由、ボクこそがリバティー、ボクこそがフリーダム。
フフ……そんなわけで、リンクは「FREE」さ。


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