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2008/01/31(Thu)22:45

『ANAL The ORIGINATION』

天野こずえ 『ARIA』



 このウェブログでお送りする漫画紹介記事の二発目は、いま何かと話題の『ARIA』についてだよ。
 真意の方は定かでないけれど、
『マッグガーデンという会社そのものが、このARIA一作によって支えられている』
とまで噂されるこの作品。その人気の程は、『ARIA The ANIMATION』『ARIA The NATURAL』、そして現在放送中の『ARIA The ORIGINATION』と、三度に渡ってTVアニメ化されている事実からも、十分図り知ることができるよね。

 フフ……この流れでいけば、更に四作目として『ARIA The EXTACY』が製作されるのも、もはや時間の問題と言っていいだろう。
 個人的には是非ともアリスちゃんから、オールを使ったでっかいスパンキングを戴きたいんだ。
『このでっかいウジ虫!』
『でっかい人間産業廃棄物!』と、ボクを口汚い言葉で罵りながらネ。そして、
『でっかいゴミ箱め、私の汚れた靴下を喰らいなさい』
の台詞とともに、口の中に足を捩じ込まれたいんだよ! ああぁ…………たまんNICE DAY!!

 …………さて。天野こずえ氏による原作コミックは、エニックスから刊行されていた少女向け雑誌『月刊ステンシル(現在は休刊)』で、2001年に『AQUA』のタイトルでスタートし、故あって現在はその名を『ARIA』に改め、マッグガーデン刊の『月刊コミックブレイド』誌上で看板作品の座を不動のものにしているんだけれど、その連載が次号で遂に最終回を迎えるという事で、読者が予想だにしなかった怒涛の展開とも相まり、いま作品史上最高潮の盛り上がりを見せているんだ。
 もちろんボク、鴛鶯鸚哥丸 秀もこの作品が大のお気に入りで、コミックスの帯に記されていた、
『ヒーリングコミック』
の表記に惹かれ、いわゆる表紙買いをした結果、まんまとハマッてしまったというクチなのさ。

 とにかくこの『ARIA』という作品を読んでいると、自分の周りを目まぐるしく取り巻いていた筈の時間の流れが、いつの間にか優しくゆったりと変化したように感じられるんだよね。
 最近では四コマ漫画を中心として、女子高生たちのゆるい日常をまったりと描く癒し系作品的な物が多く登場しているけれど、上に述べたような体感時間の遅緩化や、不特定多数を対象とした心の浄化、昂ぶった精神の抑制化という点に於いては、この『ARIA』に匹敵するような作品は未だ現れていないのではないだろうか。
 まあ、それも仕方あるまい。なぜならば、装備している武器の数と、そのレベルが違いすぎるんだ。

 例を挙げれば、
・根幹から、少女向け雑誌の掲載作品という意識の中で構築されているだろう事。
・女性作家らしい清涼感のある絵柄。
・飄々とした大らかな性格の登場人物たち。
・読み手を別世界へと誘ってくれる、美しくも妖しく、不思議だけれど懐かしいような街並み。
・未来の火星を舞台にしたSF作品であるにも拘わらず、各季節を鮮やかに浮き彫らせる自然物や風物詩の数々。
・作者である天野氏が癒しを描くために駆使する、『効果線や動的記号をできるだけ抑える』、『一コマで描ける内容を、複数のコマに分けて意図的にテンポを遅らせる』、『セリフの無いコマを挟み込み静寂を表現する』、『フキダシの面積に対して文字を小さくし余白を多くとる』といった数々の漫画技法。

 その他にも多種多様なファクターが無理なく絶妙に詰め込まれて、この『ARIA』というひとつの作品を作り上げているんだもの。そこから生み出される効能たるや並じゃあないよ。自ら『ヒーリングコミック』を名乗る帯の文句も、決して大仰じゃあないのさ。

 が、しかしっ!

 それ程の作品でありながら、悲しきかな、ボクが心の芯まで癒されるという事はなかったんだ。 
 とある……、ひとつの困った描写のせいでね。
 これまで密かに思い悩んできたけれど、アリシアさんの結婚騒動によって世の中が世紀末並に騒然としている今、そんなどさくさに紛れて書き放ってしまおう。なぜボクが、この最強のヒーリングコミックと言っても過言ではない『ARIA』で癒されきる事が出来なかったのかを!!

 それは…………、

 ANALだッ!




 ま、待ちたまえ、これは決して猥褻な意味で言っているわけじゃあないんだ。
 今までにボクが、一度たりとも悪戯に下品な妄言など垂れ流した事があったかい?
 いいかい、これはとても重要な問題なんだよ。

 原作コミック、またはアニメのどちらでも構わないが、ご覧になった事のある諸君はご存知であろう。
 何とこの『ARIA』、一般層向け作品であるにも拘らず、終始ANALが丸出しなんだ!!

 おっと、これを聞いて『こうしちゃいられないZッ!』と書店へDASHしようとしている『ARIA』未見のキミよ、待たれいっ!
 フフ……ANALとは言っても、別に美少女キャラクター達がANALを見せているワケじゃあないんだ。
 えっ、じゃあ一体、何者がANALを丸出しにしているのかだって?
 Hooh……まったく仕方がないね。ではそんな未見野郎でANALフェチのキミに配慮して、ここで一旦『ARIA』のストーリーを簡単に説明させていただくとしよう。

 この『ARIA』という作品は、観光用のゴンドラを操舵する『ウンディーネ』と呼ばれる乙女達を描いた物語で、彼女たちが所属する各々の会社では、古くからの風習(これからする話を踏まえれば、むしろ因習かな?)により、あくまで肩書き上だけれど、猫を社長の役職に据える事が慣例となっているんだ。
 ご多分に漏れず、主人公の灯里が所属するARIAカンパニーでも、アリアの名を与えられた猫が社長の座に就いているわけなんだけれど…………、
 こいつが問題なんだ!!

 そう、この火星猫(人間並みの知能を持つ、大型の猫)のアリア社長が、終始ANAL丸出しなんだよ!

ARIA 第1巻41P

 Ah My Goddess! (一体、なんてこった!)

 この鴛鶯鸚哥丸 秀、『ARIA』を読んでヒーリングの効果を賜ろうとしても、隙あらば御褒美とばかりに披露される猫のANALのせいで、いつも逆にストレスすら感じてしまうんだ。

 いったい作者である天野こずえ氏は、何ゆえ猫にANALなどを描き入れてしまうんだい? もちろん生物学上必要不可欠(ケツだけに)な器官だという事は分かっているが、しかしわざわざ描写する必要なんてどこにもないじゃないか。
 ボクのように、ANALが描かれている事に異論を唱えるハンサムは居ようとも、描かれていない事にクレームを入れるソフィスティケイテッドな輩はまず居ないだろうし、描かずに省略してしまえば、この地球(マンホーム)が今より素敵に満ち溢れるであろう事は明らかなのに…………。

 もしやこのANAL、かなりの愛猫家として有名な天野氏が仕掛けた、『ANALくらいで拒絶反応を示すような、猫に愛情の無い読者は切り捨てさせて戴く』という、ちょっとしたハードルなのだろうか?
 あるいは猫好きの人たちにとっては、そのANALのプリーツすらもまた、愛でるために決して欠かす事のできない大事な猫要素だったりするのかな?

 残念ながら、猫に対して並程度の愛情しか持ち合わせていないボクには、必要性の無いANALを描写するという理由がさっぱり掴めなかったのだけれど、今このウェブログをごらんのキミはいかがだろうか?
 では、その謎を更に深く追求していくために、天野氏と猫のANALの関係について、天野氏の過去の作品を振り返りながら考えてみるとしよう。

 こちらの画像をご覧いただきたい。

夢空界 125P

 これは天野氏が、デビューの翌年である1995年、つまり今から十二年前に『増刊フレッシュガンガン』にて発表した『小さな聖夜(イブ)※短編集 夢空界収録という作品の一コマである。
 この作品は、『ARIA』に登場するアリア社長のモデルとしてもお馴染みの、天野氏の愛猫アリアを擬人化して描かれた作品だと思うのだけれど、この時点で既に、猫たちのANALは惜しげもなく丸出しなんだ。
 ここでそのANALが、現在と同じく×のような記号をもって表されているという点に注目されたい。

 この事から推察できるのは、天野氏が猫のANALに対して特にフェティシズム的な、或いは執着的なこだわりを持っている訳ではないと言う事だ。
 えっ、何故言い切れるのかって?
 例えそれが何であれ、強いこだわりのある対象物ならば、その描写を日々極めんとするのがプロの漫画家というものさ。だが天野氏は、当時と比べて画力が格段に上達しているにも関わらず、未だに変わらぬ姿のANALを提供し続けているんだよ? もしも彼女がANALに強いこだわりを持ちながら現在まで描き続けているのならば、そこに僅かなりとも進化が見られないのは、おかしいじゃないか。
 …………それとも。
 ま、まさか×こそが、天野氏が早くにして行き着いた至高のANAL描写だという事なのか……。

 前者だとすると、もはや猫を描く際の自然な手順のひとつとして、特に何の疑問を抱くでもなく、ちょっとしたおめかし感覚でANALを描いているという事だ。
 もし、後者ならば…………もはや、ボクごときの敵う相手じゃない……。

 しかしまあ、天野氏がいかな理由でやらかしたのであれ、既にANALは描かれてしまっている訳で、氏や刊行元であるマッグガーデンに何を訴えようと、もはや後の祭り……いや、ANAL祭りだからね。ボクが『ARIA』のヒーリング効果を全身でバキバキに感じる為には、このピンチをうまくチャンスに変換する様な革新的打開策を打ち出すしかないんだ。

 えっ、一体そんな策が有るのかって? 確かにその疑問は至極ごもっとも。今のボクと同じ状況に置かれた場合、きっと大多数の人々は『泣き寝入り』という、最も惨めなコマンドを選択してしまうだろうしね。

 だが!
 ボクがこの程度で敗北を喫する様な美少年じゃないのは、キミ達が一番よくご存知のはずだよ?
 フフ……そう。その“まさか”さ。

 聞いて驚く無かれ。ボクはたった一言、とあるワードを導き出す事のみによって、この淫惨極まる難事件をズルリと解決に至らしめてしまったんだ。

 おそらくキミは今、WHAY? 秀ちゃんは、いったい何を言っているの???』と思われた事だろう。次元が違いすぎて理解が追いつかないのも分かるが、まったくもって言葉の通りなのさ。
 信じられないかもしれないが……。この鴛鶯鸚哥丸 秀、狂おしいほどの情熱を糧に壮大なる探求を重ねた結果、ついにアリア社長をはじめとする猫達のANAL描写を全肯定した上で、更には猫好きな読者たちの何倍も『ARIA』のヒーリング効果に与かれるという、夢のようなワードを導き出してしまったんだよ!!
 えっ、どんなワードか聞きたいって? それは構わないけど、でも…………、
 何が起きたって責任は持てないよ?(同意するならば↓をマウスで反転だよ)

 『アリスちゃんのANALも×なんじゃないのかい?』

ARIA 第5巻56P
アリスちゃん(14)

 ボクは生物学に精通している訳じゃないし、特に詳しく見比べた事は無いのだけれど、おそらく人のANALも猫のANALも、形状的にそれ程の違いはないと思うんだ。
 つまり、天野こずえWORLDに於いてのANALというモノはこれであり、
ARIA 第1巻105P
だからして、同じようなのがア、ア、アリスちゃんにも―――――――― 否ッ!!

 ボクらが見ていた×は、実はアリア社長のANALなんかじゃなく、何らかの理由で光の屈折と空間のねじれが生じだし、それらの影響が奇跡的な状態で重なり合った結果、偶然アリア社長の臀部が受像機の役割となって、そこへ常時アリスちゃんのANALをリアルタイムで映し出すようになってしまったのである、と考えれば科学的にも説………………ああっ、も、もうダメだぇーーッ!!


カーソルを合わせるなんて無礼じゃないかい?




 フフ……という訳で、こうして大胆に視点を変える事によって、このARIAにおけるANAL騒動は一件落着という運びになったのさ。でも今更こんな事を言うのもなんだけれど、結局のところANALがあろうとなかろうと、作品の本質的な素晴らしさにまでは影響しないのだけれどね。
 ところで『ARIA』という作品の性格上、今回のボクの話に不快感を覚えた人がいるならばSORRY寺西。
 だけれど、あまりこういう視点で語られる事もないだろうから、新人ウェブロガーらしい冒険心はあったと思うんだけれどいかがだろうか?

 まぁ……さすがに中盤あたりで、『ボクは一体何を書いているんだろう……』とは思ったけどね。




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2008/01/27(Sun)23:05

『四コマ漫画の黄金率を導き出す二次元方程式。』

野々原ちき 『姉妹の方程式』



 『まんがタイムきらら』誌上で四年半の長きに渡り連載され、この度発売のコミックス第四巻をもって完結と相なった、野乃原ちき氏の四コマ漫画『姉妹の方程式』。
 ボク、鴛鶯鸚哥丸 秀が、『2年C組学級委員長 門前寺明子のオタク撲滅日誌』にて語る記念すべき最初の漫画は、本作品以外に考えられないよ。

 なぜならこの『姉妹の方程式』こそ、『まんがタイムきらら』誌に於いて、ボクが最も楽しく読ませてもらっていた作品だからなんだ。それだけに連載終了は非常に残念だけれど、しかしこれが、ひとまずの区切りを付けるのに最高のタイミングである事は間違いないだろう。それは分かっているんだ。いるんだけれど……。
 でも……、やっぱり寂しくてたまらないよ。

 おお、ボクにとってのきらら三本柱であった『となりのカワンチャさん』、『start from レベルワン』に続いて、この『姉妹の方程式』までもが終了と知った時の惨憺たる心中……、
 察せるものなら察してございッ!!

 ご存知の通り『日本デリケー党党首』を務める、この鴛鶯鸚哥丸 秀。あまりのショックに寝込んでしまったんだ…………二時間半くらい。
 生きてゆく意味を見失ったボクは、そのあまりの絶望感からちくわでリストカットを図ったり、自暴自棄になって腕に『タトゥー』という文字をタトゥーで入れようとして止めたりもした。
 食事だって、もはやドネルケバブくらいしか喉を通らなかったよ。Hooh sigh……。

 まあしかし、いつまでも落ち込んでいたって仕方がないよね。野乃原氏の新たな連載も始まるというし、これからは2008年版の、布陣を変えた新たなきらら三本柱に希望を託す事にするよ。
 さあ、では気を取り直した所で、そろそろ本題に入ろうじゃないか。
 とは言っても、この『姉妹の方程式』の内容について…………、

ボクの口から語る事など何もないッ!!


 フフ……漫画紹介記事の一発目から、まさかの爆弾発言で驚いたかい?
 しかしながら、冗談抜きにあれこれ小難しく内容を語るようなタイプの作品ではないのだよ。
 少々窮屈で、年季の入った借家に住まう万田家の四姉妹、
千薪(中1)、 百江(中2)、 十子(高1)、 一美(高2)。
姉妹の方程式 第一巻 姉妹の方程式 第二巻 姉妹の方程式 第三巻 姉妹の方程式 第四巻

 趣味も価値観もてんでバラバラの、非常に個性の強い四人だ。それ故よくケンカもするけれど、しかし両親の居ない分まで助け合い笑いあい、貧しいながらも日々を楽しく生活している。
 言うなれば、ただそれだけのお話なのさ。

 この『姉妹の方程式』には、「さあ、ネット上で話題にしろ」と言わんばかりの、あざとい過激さや奇のてらい、下品なお色気なんかも全然有りはしないよ。それにも関わらず、混沌極まる『まんがタイムきらら』という雑誌で四年半にも渡って愛されたというのは、この漫画がごまかしや偽りのない面白さと魅力に溢れ、且つファンになったもののハートをガッチリ掴み続ける程の地力を持っているという証拠だよね。

 実際この作品は、質の高いユーモアとホームコメディ特有の温かさ、そして誰もが見失いがちな本当の幸せというものに満ち溢れた、正にAGE&SEXを問わずに愛されるであろう、四コマ漫画の傑作なんだ。
 とにかく内容も絵も、毎回々々頼もしいほど安定しているし、主役の四姉妹もそれぞれのキャラがしっかりと立っていて、まあ私見だけれど、四人の内の誰に人気が偏るでもなく、全員が同程度のファンを抱えているんじゃないかと思うよ。物語の引き立て役という立場を逸脱する事はないが、サブキャラクター達だって、なんの十分過ぎるくらい楽しませてくれるのさ。

 こんなにも素晴らしい作品だからして、未熟な高校生ウェブロガーのボクが語らずとも、漫画に関して特化した他のレビューサイトページで、もっと面白詳しく(時にはエッチに!)紹介されている事だろうと思う。
 この作品の内容をもっとよく知りたいという諸兄は、ぜひともそちらの方を参考にしてくれたまえ。

 えっ、それじゃあ、秀ちゃんは一体何を語ろうとしているのかって?

 フフ……もちろん、あの事に決まっているじゃないか。
 答えは…………そうっ!

 中学一年生の千薪ちゃんが既にブラを着けているのか否か、あらゆる角度から徹底的に大検証だッ!!




 な・ん・て・ね。フフ……冗談だよ。 確かにそれも語りたいけれど、しかし記念すべき漫画紹介記事の一発目から、中学一年生女子のブラがどうこうだなんて、まるで変態みたいじゃないか。
 あまり無茶して噂になったら困るし……。スポブラだった場合、リアクションに困るし……。
 まあ正直に言うと、今回ボクが注目したいのは、『姉妹の方程式』についてなのさ。

 この作品の絵は『ゆんわり』とした雰囲気を持つ実に可愛らしいものだが、まあ確かに今風とは言い難いし、雑誌のカバーを大々的に飾るような派手さは無いかもしれない。上記の表紙画像を一瞥しただけでは、そこに取り立てて突出したものを感じる人間も少ないだろうと思う。
 しかし! コマにサイズや数の制限がある『四コマ漫画』というジャンルと融合した時、この絵がモンスター級の存在に大化けするのだから、まったく語るなと言う方が嘘だぜ。

 お手元に、この作品が掲載されている号の『まんがタイムきらら』誌をお持ちの諸君は、是非開いてご覧になっていただきたい。
 どうだい、他の四コマ作品と比べれば一目瞭然……もしくは、イチモツOh~Yes!
 この『姉妹の方程式』の絵には、もはや驚愕すら覚える凄まじい特性があるだろう?

 えっ、何がって!? キ……キミぃ……。
 まさかボクの指示を無視して、うっかり『まーぶるインスパイア』でも見ているんじゃないのかい?
 おいおいおい……、まるで性獣だね……。
 まったく仕方がないな。では、百聞は一見にピーカブーと言う事だし、このボクが直々に、参考としてコミックスの中から一部を抜粋しようじゃないか。

 下に示したのは『姉妹の方程式』の単行本第一巻に収録されている、『みそ味』というエピソードである。尚、本来この作品の収録形態は縦四段組だが、都合上2×2の形式に改変した事をご留意されたい。

姉妹の方程式 第一巻50P


 どうだい、美しさを感じるくらい見やすいだろう?

 絵を視界に入れた一瞬間で、読者はどのキャラがどんな場所で何をしているのかを即座に認識する事ができる。また描かれている物に過剰も不足も無く、見ていても疲れる事が無い。
 きらら系の作品に限らず、世に存在する数多の四コマ漫画たちを見渡したとて、ここまでの見やすさを実現させた絵にはそうそうお目にかかる事はできないよ。
 えっ、なぜ『姉妹の方程式』はこんなにも見やすいのかって? それは言うまでも無く、この四コマ漫画を形成する各コマが、理想的な比率の情報密度によって描かれているからなんだ。

 『まんがタイムきらら』本誌をお持ちの方は、どうか今一度開いていただきたい。
 まるでストーリー漫画の様な絵柄の作品もあれば、概念的に落書きの様な作品もある。一目では、その情報を把握しきれないほど細部まで描き込まれている作品もあれば、逆に物足りなさを感じてしまう様な、やや余白の目立つ作品などもある。そして、今時の女子中学生の日常を、あの手この手のいやらしミスリードを交えながら描き出す『まーぶるインスパイア』もある。
 そんな中で『姉妹の方程式』という作品は、背景、キャラの顔(造形、表情、髪)、身体(等身、服、ポーズ)、フキダシ、擬音、配置と描き込みの度合い、更には線の太さ、トーンやベタ等の処理、そして様々な漫画的効果など……。それらが野乃原氏の練熟したセンスにより見事に加減され、且つ丁寧に整然と描かれる事によって、もはや黄金率とも言える絶妙な情報密度を完成させているんだよ。

 ボクのようにある域まで上り詰めると、この恐るべき黄金率を目の当たりにしただけで、脳内ドーパミンがブビュルルッ! ブピュッ!…………ピュっ……と発射され、薬師○ひろ子の例の瞬間と比較し、実に6倍もの快感が全身を駆け巡るのさ。
 だが、もはや『姉妹の方程式』を愛するあまり、ちょっと気を抜けば、『ちゃん、リン、ピュッ!と出てしまいそうで気が気じゃない今日この頃。
 ことさら敏感な人の場合、『ピュッ、ピュッ、ピュッ!も十分有り得るから、くれぐれもページを繰る際には気を抜かないよう注意したまえ。

 そうそう、この作品は植田まさし氏をはじめ、四コマ漫画を描くプロ作家の皆さんにとっても、非常にコストパフォーマンスの高い優れた教本に成り得ると思うから、是非必帯する事を推奨するよ。
 しかし、そんな四コマ漫画の金字塔的な絵を堪能するだけでも十分読む価値はあるというのに、その上キャラクターや内容まで魅力的ときて、それらがまったくブレる事なく、長い間載り続けてくれたのだからね。
 この鴛鶯鸚哥丸 秀が、『姉妹の方程式』を愛してやまない理由がお分かりいただけただろう?

 これはまったくの余談なのだが、実はボクにも弟がいるんだ。手前味噌だけれど、ボクにそっくりでなかなかの器量良しさ。けれども万田家四姉妹のように、上下関係お構いなしでケンカしたり笑い合ったりなんて事はあまり出来ないんだ。我が愚弟ときたら、どうしてもボクに尊崇の念を抱いてしまうらしくてね。まあ、決して仲が悪いというワケではないんだけれど。

 そんな訳だから、姉妹でありながらも、まるで友人同士の様にはしゃぎ合う万田家の彼女達を見ていると、つい『ボクも新しい五人目の家族としてあの中に混じりたい、一緒に騒いでみたい』なんて思ってしまうんだ。
 けれどもまあ、実際問題ボクが万田家に加わってしまう訳にはいかないんだよね。

 えっ、それは何故かって?
 だって……もしそうなったら、女だらけの万田家マンだけじゃなくなってしまうもの。


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