忍者ブログ


2024/06/30(Sun)06:05
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



2008/01/27(Sun)23:05

『四コマ漫画の黄金率を導き出す二次元方程式。』

野々原ちき 『姉妹の方程式』



 『まんがタイムきらら』誌上で四年半の長きに渡り連載され、この度発売のコミックス第四巻をもって完結と相なった、野乃原ちき氏の四コマ漫画『姉妹の方程式』。
 ボク、鴛鶯鸚哥丸 秀が、『2年C組学級委員長 門前寺明子のオタク撲滅日誌』にて語る記念すべき最初の漫画は、本作品以外に考えられないよ。

 なぜならこの『姉妹の方程式』こそ、『まんがタイムきらら』誌に於いて、ボクが最も楽しく読ませてもらっていた作品だからなんだ。それだけに連載終了は非常に残念だけれど、しかしこれが、ひとまずの区切りを付けるのに最高のタイミングである事は間違いないだろう。それは分かっているんだ。いるんだけれど……。
 でも……、やっぱり寂しくてたまらないよ。

 おお、ボクにとってのきらら三本柱であった『となりのカワンチャさん』、『start from レベルワン』に続いて、この『姉妹の方程式』までもが終了と知った時の惨憺たる心中……、
 察せるものなら察してございッ!!

 ご存知の通り『日本デリケー党党首』を務める、この鴛鶯鸚哥丸 秀。あまりのショックに寝込んでしまったんだ…………二時間半くらい。
 生きてゆく意味を見失ったボクは、そのあまりの絶望感からちくわでリストカットを図ったり、自暴自棄になって腕に『タトゥー』という文字をタトゥーで入れようとして止めたりもした。
 食事だって、もはやドネルケバブくらいしか喉を通らなかったよ。Hooh sigh……。

 まあしかし、いつまでも落ち込んでいたって仕方がないよね。野乃原氏の新たな連載も始まるというし、これからは2008年版の、布陣を変えた新たなきらら三本柱に希望を託す事にするよ。
 さあ、では気を取り直した所で、そろそろ本題に入ろうじゃないか。
 とは言っても、この『姉妹の方程式』の内容について…………、

ボクの口から語る事など何もないッ!!


 フフ……漫画紹介記事の一発目から、まさかの爆弾発言で驚いたかい?
 しかしながら、冗談抜きにあれこれ小難しく内容を語るようなタイプの作品ではないのだよ。
 少々窮屈で、年季の入った借家に住まう万田家の四姉妹、
千薪(中1)、 百江(中2)、 十子(高1)、 一美(高2)。
姉妹の方程式 第一巻 姉妹の方程式 第二巻 姉妹の方程式 第三巻 姉妹の方程式 第四巻

 趣味も価値観もてんでバラバラの、非常に個性の強い四人だ。それ故よくケンカもするけれど、しかし両親の居ない分まで助け合い笑いあい、貧しいながらも日々を楽しく生活している。
 言うなれば、ただそれだけのお話なのさ。

 この『姉妹の方程式』には、「さあ、ネット上で話題にしろ」と言わんばかりの、あざとい過激さや奇のてらい、下品なお色気なんかも全然有りはしないよ。それにも関わらず、混沌極まる『まんがタイムきらら』という雑誌で四年半にも渡って愛されたというのは、この漫画がごまかしや偽りのない面白さと魅力に溢れ、且つファンになったもののハートをガッチリ掴み続ける程の地力を持っているという証拠だよね。

 実際この作品は、質の高いユーモアとホームコメディ特有の温かさ、そして誰もが見失いがちな本当の幸せというものに満ち溢れた、正にAGE&SEXを問わずに愛されるであろう、四コマ漫画の傑作なんだ。
 とにかく内容も絵も、毎回々々頼もしいほど安定しているし、主役の四姉妹もそれぞれのキャラがしっかりと立っていて、まあ私見だけれど、四人の内の誰に人気が偏るでもなく、全員が同程度のファンを抱えているんじゃないかと思うよ。物語の引き立て役という立場を逸脱する事はないが、サブキャラクター達だって、なんの十分過ぎるくらい楽しませてくれるのさ。

 こんなにも素晴らしい作品だからして、未熟な高校生ウェブロガーのボクが語らずとも、漫画に関して特化した他のレビューサイトページで、もっと面白詳しく(時にはエッチに!)紹介されている事だろうと思う。
 この作品の内容をもっとよく知りたいという諸兄は、ぜひともそちらの方を参考にしてくれたまえ。

 えっ、それじゃあ、秀ちゃんは一体何を語ろうとしているのかって?

 フフ……もちろん、あの事に決まっているじゃないか。
 答えは…………そうっ!

 中学一年生の千薪ちゃんが既にブラを着けているのか否か、あらゆる角度から徹底的に大検証だッ!!




 な・ん・て・ね。フフ……冗談だよ。 確かにそれも語りたいけれど、しかし記念すべき漫画紹介記事の一発目から、中学一年生女子のブラがどうこうだなんて、まるで変態みたいじゃないか。
 あまり無茶して噂になったら困るし……。スポブラだった場合、リアクションに困るし……。
 まあ正直に言うと、今回ボクが注目したいのは、『姉妹の方程式』についてなのさ。

 この作品の絵は『ゆんわり』とした雰囲気を持つ実に可愛らしいものだが、まあ確かに今風とは言い難いし、雑誌のカバーを大々的に飾るような派手さは無いかもしれない。上記の表紙画像を一瞥しただけでは、そこに取り立てて突出したものを感じる人間も少ないだろうと思う。
 しかし! コマにサイズや数の制限がある『四コマ漫画』というジャンルと融合した時、この絵がモンスター級の存在に大化けするのだから、まったく語るなと言う方が嘘だぜ。

 お手元に、この作品が掲載されている号の『まんがタイムきらら』誌をお持ちの諸君は、是非開いてご覧になっていただきたい。
 どうだい、他の四コマ作品と比べれば一目瞭然……もしくは、イチモツOh~Yes!
 この『姉妹の方程式』の絵には、もはや驚愕すら覚える凄まじい特性があるだろう?

 えっ、何がって!? キ……キミぃ……。
 まさかボクの指示を無視して、うっかり『まーぶるインスパイア』でも見ているんじゃないのかい?
 おいおいおい……、まるで性獣だね……。
 まったく仕方がないな。では、百聞は一見にピーカブーと言う事だし、このボクが直々に、参考としてコミックスの中から一部を抜粋しようじゃないか。

 下に示したのは『姉妹の方程式』の単行本第一巻に収録されている、『みそ味』というエピソードである。尚、本来この作品の収録形態は縦四段組だが、都合上2×2の形式に改変した事をご留意されたい。

姉妹の方程式 第一巻50P


 どうだい、美しさを感じるくらい見やすいだろう?

 絵を視界に入れた一瞬間で、読者はどのキャラがどんな場所で何をしているのかを即座に認識する事ができる。また描かれている物に過剰も不足も無く、見ていても疲れる事が無い。
 きらら系の作品に限らず、世に存在する数多の四コマ漫画たちを見渡したとて、ここまでの見やすさを実現させた絵にはそうそうお目にかかる事はできないよ。
 えっ、なぜ『姉妹の方程式』はこんなにも見やすいのかって? それは言うまでも無く、この四コマ漫画を形成する各コマが、理想的な比率の情報密度によって描かれているからなんだ。

 『まんがタイムきらら』本誌をお持ちの方は、どうか今一度開いていただきたい。
 まるでストーリー漫画の様な絵柄の作品もあれば、概念的に落書きの様な作品もある。一目では、その情報を把握しきれないほど細部まで描き込まれている作品もあれば、逆に物足りなさを感じてしまう様な、やや余白の目立つ作品などもある。そして、今時の女子中学生の日常を、あの手この手のいやらしミスリードを交えながら描き出す『まーぶるインスパイア』もある。
 そんな中で『姉妹の方程式』という作品は、背景、キャラの顔(造形、表情、髪)、身体(等身、服、ポーズ)、フキダシ、擬音、配置と描き込みの度合い、更には線の太さ、トーンやベタ等の処理、そして様々な漫画的効果など……。それらが野乃原氏の練熟したセンスにより見事に加減され、且つ丁寧に整然と描かれる事によって、もはや黄金率とも言える絶妙な情報密度を完成させているんだよ。

 ボクのようにある域まで上り詰めると、この恐るべき黄金率を目の当たりにしただけで、脳内ドーパミンがブビュルルッ! ブピュッ!…………ピュっ……と発射され、薬師○ひろ子の例の瞬間と比較し、実に6倍もの快感が全身を駆け巡るのさ。
 だが、もはや『姉妹の方程式』を愛するあまり、ちょっと気を抜けば、『ちゃん、リン、ピュッ!と出てしまいそうで気が気じゃない今日この頃。
 ことさら敏感な人の場合、『ピュッ、ピュッ、ピュッ!も十分有り得るから、くれぐれもページを繰る際には気を抜かないよう注意したまえ。

 そうそう、この作品は植田まさし氏をはじめ、四コマ漫画を描くプロ作家の皆さんにとっても、非常にコストパフォーマンスの高い優れた教本に成り得ると思うから、是非必帯する事を推奨するよ。
 しかし、そんな四コマ漫画の金字塔的な絵を堪能するだけでも十分読む価値はあるというのに、その上キャラクターや内容まで魅力的ときて、それらがまったくブレる事なく、長い間載り続けてくれたのだからね。
 この鴛鶯鸚哥丸 秀が、『姉妹の方程式』を愛してやまない理由がお分かりいただけただろう?

 これはまったくの余談なのだが、実はボクにも弟がいるんだ。手前味噌だけれど、ボクにそっくりでなかなかの器量良しさ。けれども万田家四姉妹のように、上下関係お構いなしでケンカしたり笑い合ったりなんて事はあまり出来ないんだ。我が愚弟ときたら、どうしてもボクに尊崇の念を抱いてしまうらしくてね。まあ、決して仲が悪いというワケではないんだけれど。

 そんな訳だから、姉妹でありながらも、まるで友人同士の様にはしゃぎ合う万田家の彼女達を見ていると、つい『ボクも新しい五人目の家族としてあの中に混じりたい、一緒に騒いでみたい』なんて思ってしまうんだ。
 けれどもまあ、実際問題ボクが万田家に加わってしまう訳にはいかないんだよね。

 えっ、それは何故かって?
 だって……もしそうなったら、女だらけの万田家マンだけじゃなくなってしまうもの。


代替テキスト




PR


この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:


このウェブログへのリンクが自由かだって?
フフ……、だが一体、自由とは何だか、キミ考えた事はあるかい?
おおリバティー、アビスの深淵にも、エデンの果てにも、ボクにはそれを知る事はできない。
しかしながら、この身が薔薇の茨に巻かれようとも、また月の光に蝕まれようとも、
彼の人の存在こそあれば、ボクの心はいつでも自由に羽ばたけるのさ。
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom

ボクこそが自由、ボクこそがリバティー、ボクこそがフリーダム。
フフ……そんなわけで、リンクは「FREE」さ。


そんなバナー

Since 2006.09.01