忍者ブログ


2024/06/30(Sun)05:52
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



2009/10/05(Mon)02:37

『竹本泉原画展に行ってきたが、代々木上原が
                とんだインモラルタウンだった件』


竹本泉 『竹本泉原画展』



 ――というわけで、
 今回は代々木上原のGALLERY IN Fields にて行われた『竹本泉原画展』だよ。
 ボクのような生粋の竹本泉っコにとっては、女房を質に入れてでも見に行きたい、この垂涎極まる世紀のビッグ・イベント。
 だが何と言う事か……、信じられない事にこの原画展、入場料が無料だと言うんだ。

 もしやケケ本泉とか言う偽者の原画展なんじゃないかと勘ぐったりもしたけれど、このイベントを実際に訪れた人々のレポートを見る限り、どうやら本当に、あの竹本泉の原画展で間違いないらしい。
 フフ……、そうと聞いたら行くなと言う方がナンセンス!
 そんなわけで9月26日、ボク鴛鶯鸚哥丸 秀は、代々木上原駅のホームに降り立ったのである。
 おっと、『竹本泉なんて良く知らないよ、秀ちゃん』というキミ…………置いていくぞェ!


 ボクにとって、今回の原画展が行われているGALLERY IN Fields(以下GIF)はおろか、代々木上原という町でさえ、訪れるのは初だったんだけれど、しかし全く迷う事などなく、無事に辿り着く事ができたよ。
 なにせ公式HPにも書いてある通り、駅から徒歩一分という近さだからね。駅前通りから少々寂しい感じのする路地に入り、数十メートルも進むと、すぐにこんな看板が現れたんだ。

 

 うおおぉおぉお………、来た来た来たぁーーー!!
 否が応にも高鳴りだす胸の鼓動(ハートビート)!
 頭が真っ白になって馬鹿になっちゃうほどの高揚感(ハイテンション)!!

 ……だが、いざGIFにと目をやれば、なんとそこは普通の民家よりも更に小じんまりとした、一見小規模な理容室と言った感じの家屋だった。さすがにここまで小さいとは思わなんだが……。
 しかし忘れてはいけない。ここは竹本泉原画展の会場なのだからね。

 この建物の地下に、元々一階だった部分が何階層にも埋まっているかもしれないし、空間のねじ曲がりによって小さく見えているだけかもしれない。もしくは建物自体に小さく見える呪いが掛けられていたり、人に幻覚を見せる謎のガスが発生している可能性だって十分に考えられる……。
 こいつは下手すりゃ、持っていかれるぜ…………。

 どんな小さな異変も見逃さぬよう細心の注意を払いながら、ボクは眼前のGIFへと慎重に歩を進めた。
 すると入り口の前に、こんな変わった傘立てが……。


 

ビニール傘がカエルに脳天直撃。


 これは以前、セガサターンマガジン誌で『いろいろノート』を連載していた竹本氏に対する、ギャラリーからの粋なはからいに違いあるまい。
 そして、その横には、こんな形ばかりのゲタ箱が置かれている。

 

 このギャラリーは、土足厳禁と言う事なので、もちろんボクもそれに従い、履いてきた水蜘蛛を置く。
 写真の通り、扉は大きく開け放されており、ギャラリーと聞いて抱きがちな入り辛さなどは一切感じない。
 さあ、それでは、いよいよ入場させて頂くとしよう。

 中に入ると上がりかまちのすぐ横に、いきなり『乙女アトラス』ちょっとHなイラストがお出迎え。
 更に追い討ちをかけるかの如く、これでもかとばかりに、沢山のカラフルな原画が視界に飛び込んでくるし……。どうやらこの鴛鶯鸚哥丸 秀、完全に先手を撃たれてしまったようだよ。

 館内にはケルティック風の素敵な音楽が流れており、それ以外はギャラリーという事を差し引いても閑寂な様に感じた。建物自体が民家のそれであるため、音がよく響くので、観覧しながらちょっとした会話などを交わすのには向いておらず、ここは一人で来て正解だったね。
 小学生などがよくやる、例のワキ間に手を挟んで音を出す『ワキぷっぷ』一つで、会場中がパニック!に陥ってしまう事も十分有り得るので、ギャラリー内では是非ともワキぷっぷ選手権等おっぱじめない様、ここでボクからも注意を喚起させて頂くよ。

 一般的には昼食時だからかも知れないが、その時一階にいたファンはボクを除いて2名ほど。スタッフ的な人間は、ポストカードを売る係の若い女性がただ一人。
 しかもこの女性スタッフ、まるで『にゃんこのうしろ』きみじま総子の如く、完全に存在感を消し去っているのである。

 竹本泉 よみきり・もの② P30
                 きみじま総子

 能力を真似るとは、ある意味コスプレのもっと凄いやつなのかもしれないぜ……。


 ギャラリー内は一階と二階に分かれており、とりあえずボクは二階から見て周る事にした。
 とにかく小さな会場のため、階段の横の壁をも使って絵が飾られているのだが、アニメ『俗・さよなら絶望先生』のエンドカードとして使われた原画もこのスペースに飾られていた。
 ちなみにコミックス、『トゥインクルスターのんのんじーEX』には、久米田康冶氏が描いたのんのんじーのイラストと、その逆に竹本氏が描いた『かってに改蔵』のイラストが掲載されているので、久米田ファンのキミも是非チェックする事をお薦めするよ。

 そうして階段を上りきると、二階には、更に想像を絶するような光景が広がっていた。東西南北どちらを向いても、竹本氏のカラー原画が三段組でビッシリと飾られているのである。
 正直、平静を保てる自信が危うくなってきたが、なんとか気を落ち着けて一枚一枚拝見していく事にした。

 こちらの方にいたファンは、ボクを除いて二名。本当にじっくりじっくりと絵を見る事ができる環境だった。
 ああ、ボクの大好きな『ひまわりえのぐ』の表紙絵もあるし、『ゆみみみっくす』『アップルパラダイス』も当然ある。なぜか『苺タイムス』『いろいろブック』からは大量だし、更にはアレもコレも目の前にあるなんて……。なんだか本当に夢を見ているようだよ。

 しかしこうして実物を間近で見ると、印刷上のイラストでは分からない部分が、これ程までにあったのかと大いに気付かされる。
 例えば背景の石垣や雪山や岩肌、分かり易く一つ具体例を指せば『よみきりものの… わらいの園々』の巻頭カラーページに描かれている大岩だけれど、こういった絵は実際、本当の石の表面の様に、立体的に小さく隆起する様に塗られているんだ。
 また雪が降っているシーンを描いた絵では、その降り注ぐ雪の一片々々に存在感というものがあって、これが印刷された絵ではただの白い小さな丸になってしまうのだから、ボクとしては、早急に印刷技術の向上を願わずにはいられなかったよ。中には衣服の一部がラメ入りで塗られているものまであったしね。

 多くの作品で太陽光や雲など、様々な効果に使われているエアブラシも、実物で見ると何という美しさ。 『前むき100%』の宮島洋の絵に至っては、もはや宗教画のような神々しさがある。
 長渕剛meets竹本泉という、異色にも程がある組み合わせが驚きの、とあるTV番組の企画で制作された、『乾杯』のイメージ漫画などは、恥ずかしながら初めて拝見する事ができた。
 個人的に驚いたのは、『うさぎパラダイス』の原画に、猫の物らしき毛が塗り込められている部分があった事なんだけれど……。これってもしや、あのツヴァイの毛なのだろうか?

 更に見所は原画ばかりに止まらない。部屋の壁の突き出た部分には、なんと竹本氏による直描きで『MAGI×ES』のポリンと思われるイラストとサインが。しかもこれ、どうやらつい一日前に描かれたばかりの物らしい。ああ……なんだかもう、世界中の奇跡がこの小さな家屋の中に集まっているみたいだね。
 この日、この場所にいる幸せを噛み締めながら、ボクは展示されている原画一枚々々を、心の印画紙にしっかりと焼き付けていった。

 場合によっては一つの絵に対し、周囲を気にせず、時間をかけて隅から隅まで凝視する事だってできる。
 実際に来場していない人には信じられないかもしれないが、この二階の八畳間ほど?の展示スペースにボクたった一人という事態が何度も訪れた程だからね。

 しかしなんと言う事か……。
 その時当然の如く、ボクの脳裏にこんな考えがよぎったんだ。

 他には誰も見ていない今、もしここで……、全裸になったらどんな気持ちだろう……。

 世界一大好きな漫画家、竹本泉氏が描いた大量の生カラー原画に、四方を囲まれた状況で全裸という背徳感によるExtasyは、一体どれほどのものなのだろうか……。
 そしてもし、そんな所を他の来場者に見つかってしまったら…………。

客「キャアアーーッ! あ、あなた、裸体で何やってるんですかぁ!!」
秀「あわわ、ち、違うんです! こ、これは…………」
客「ぃいやあああーーっ!!」
秀「これは、その……お風呂に入っている、のんのんじーのコスプレなんです!!
客「えっ!? や、やだ、ごめんなさい……。私ったら、つい猥褻な目で見てしまって……」
秀「なァに、気にする事ありませんよ。それによく御覧なさい、パイナップルみたいでしょ?

 うーん……………………、いけるッ!


 フフ……、だが御安心召され。この二階部分には、スタッフ以外立ち入り禁止の部屋が隣接しており、そこから一人、男性のスタッフが登場したので、この鴛鶯鸚哥丸 秀、今回に限っては踏みとどまったんだ。
 ふぅ、AV(あぶ)ないAVない……。あやうくインフィールズが陰部披露すになる所だったよね。
 こんなボクを見て、きっと『アップルパラダイス』の朝ヶ丘絵理子嬢ならば、こう言ってくれる事だろう。


 


 まあ、そんなこんなでギャラリーの二階部分を堪能したので、去り難くも一階の方へと降りたボクであった。
 こちらでは、もはや冷徹なるポストカード売りマシーンと化した、例のお姉さんが常時待機しているので、全裸ガマン余裕だったよ。

 一階フロアーの展示数は二階に比べると少ないものの、こちらはこちらで、竹本氏を語る上で欠かせない重要なイラストがたくさん飾られていた。
 『あおいちゃんパニック』第1回掲載時のカラーイラストと言う凄いものまであり、こんな二十五年以上前のイラストでも、まったく色褪せずに四隅すらピンと貼った状態で保管されているとは驚きだよね。
 また、つい最近に描かれた原稿もあって、ボクお気に入りの作品『さくらの境』の原画も飾られていたのだけれど…………、ここでアクシデントがっ!

 ボクが『さくらの境』の原画に見入っていると、なんとささちゃんの顔の上に、どこからか飛んできた一匹の虫が止まったのである。こ……これは、まさかささちゃんが、二子ちゃんに付いた悪い虫だっていう事を示しているのか……。本当に見るものを飽きさせないよ、この原画展は。

 そんなこんなで、気付けば一時間程が経っていた。
 お気に入りであるキャラクター達は、旧作はもちろんの事、近作では『たちこめるバラのかおり』のヒロイン、パフまで、その殆どを見る事が出来た。残念ながら、ボクのバイブルである『せ~ふくもの』の原画は無かったけれど、まあ、それはおそらく次回のお楽しみと言うことなんだね。

 一階入り口すぐの所には、来場したファンがメッセージを書き込む事のできるノートが置いてあった。これには和田慎二氏吾妻ひでお氏など、著名な漫画家達の書き込みも幾つか見受けられ、もちろん竹本氏も、こちらの方に、しっかりと自画像とサインを記帳されており、恐れ多くもボク、鴛鶯鸚哥丸 秀、竹本氏と同じ一冊のノートに書き込みをしてしまった。フフ……、もはやこのノートの価値は計り知れないゾ。

 最後に、一階の最奥では、グッズ販売として二種類のポストカードセットが売られている。絵柄は今回の展示物の中から選ばれており、価格は一組六枚入りで五百円。二組同時に買えば、プラスもう一枚ポストカードを貰う事ができるんだ。

 ここはもちろん、購入する事を推奨させていただくよ。気持ち的には入場料の様なものだし、もしかしたら『第2回 竹本泉原画展』の可能性にも、僅かとは言え繋がるかもしれないからね。
 更にはこれに加えて、もう一枚。この原画展の案内状として作られた物も無料で貰う事が出来るので、なんと合計14枚ものポストカードをGETする事ができたのさ。……14人も出す相手がいないのに。
 はいっ! なぁーんちゃっ…………くっ……、うぅ……。

 と言うわけで、なんとも素敵なひと時を過ごさせてもらったよ。ギャラリーを出ても尚、思わず顔がほころんでしまうような幸せをたくさん抱えながら、ボクは最高の気分で代々木上原の駅へと向かったのだった。




 …………だが。
 なんと言う事か、そんな幸せは、そう長くは続かなかったんだ…………。

 GIFからは、すぐに駅前通りへ出る事が出来るんだけれど、そこで許すまじきショッキングな事態が目に飛び込んできてしまったんだよ。
 どうやら現在、この代々木上原の駅前商店街では、色々なお店が一丸となって商店街を盛り上げようとしている様で、WEB上にはueharaekimae.comというHPも作られている。
 そして商店街に立つ電柱等には、上記のアドレスを宣伝するための旗的なものがたくさん掲げられているんだけれど…………、
 そこに描かれたイメージキャラクターが問題なんだ!!

 全国の竹本泉ファン諸君の口が塞がらなくなるであろう、そのとんでもないキャラクターがこれだ!!




 

 ゆ……、 UFゾウ……!?


 竹本泉 あおいちゃんパニック! 第三巻152P
             UFゾウ




 おいおいおい! こいつは完全にパク…………うじゃうじゃ。




PR


この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:


このウェブログへのリンクが自由かだって?
フフ……、だが一体、自由とは何だか、キミ考えた事はあるかい?
おおリバティー、アビスの深淵にも、エデンの果てにも、ボクにはそれを知る事はできない。
しかしながら、この身が薔薇の茨に巻かれようとも、また月の光に蝕まれようとも、
彼の人の存在こそあれば、ボクの心はいつでも自由に羽ばたけるのさ。
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom
I'm dancing is yourself won't be freedom

ボクこそが自由、ボクこそがリバティー、ボクこそがフリーダム。
フフ……そんなわけで、リンクは「FREE」さ。


そんなバナー

Since 2006.09.01